日本産淡水魚の話
湘南アクアリウム

 
最新更新日
H20年6月23日

目次
1、オイカワ(Zacco platypus)の話(H18年3月30日)
2、オヤニラミの話(H18年4月13日)
3、アカメの話H18年5月7日)
4、タナゴの話(H20年6月15日)

オイカワ(Zacco platypus)の話

 コイ科ダニオ亜科オイカワ属
オイカワ属の仲間には3種類が知られている。
オイカワ・カワムツ・ヌマムツがそれである。ヌマムツと言う名前をご存知ない方も多い
であろうが、少し前までカワムツAと言う名前で知られており名称が変更になった。
同様にカワムツBが昔ながらのカワムツに戻ったのである。
オイカワ属の学名はZacco、皆さん日本語読みしてください。−−ざっこ?ざこ???
何か思い当たりませんか。そう、漢字にすると−−−雑魚!
えっ!と思われるかもしれないが、このZaccoは日本語の「雑魚」が語源とのこと。

よってこの3種類の学名にはいずれも先頭にZaccoが付く。何処にでも居る魚という
意味である。生命力が強いようで日本ではどんどんその生息域を
広げており、最近では3種とも北海道を除く殆どの場所で見られるようになった。
今回はその中でオイカワについてスポットを当ててみる。

オイカワ(Zacco platypus)
オイカワは川魚ファンならほとんどの方は知っているなじみの深い魚であろう。
それだけに俗名も多く地域によって色々な呼び方がある。関西ではハエ
関東地方ではヤマベと呼び、ヤマメと混同されがちである。
私も小学校のころ、渓流釣りが趣味の父親を持つ友達に
飼育している水槽を見ながら魚の説明を受け、ヤマメをヤマベと、イワナをヤマメと紹介され
私の頭が大パニックをおこした経験がある。きっとその友達も後日大混乱したことであろう。
また、同じ関東でもハヤと呼ぶ地域もあるようで、これはこれでウグイと混同していよう。
けっこう大雑把で「ね-んげん的」で親しみがわく魚、それがオイカワである。
特徴
 体長 :10〜15cmで成熟するとオスのほうがメスより大きくなる。
体型 :カワムツやヌマムツに比べて体幅が薄く細長く見え、体高は全体的に高い。

背は頭〜背びれ〜尾びれにかけて、カワムツやヌマムツの場合やや丸みを帯びるが
オイカワはやや直線的になる。尻鰭は成長するにつれ長く伸び特にオスは大きい。
オスは成熟すると追星がでてきて攻撃的になる。追星は鼻先等から現れ始め
顔全体に数を増し、体側や尻鰭にもでてくる。こうなると戦闘態勢OKとなり
あちこちで縄張り争いが始まる。追星とはイボ状に皮膚が角質化して硬くなったもので、
体当たりするときの武器となる。
 体色 :背の部分は暗青色で体側や腹は銀白色に輝く。
オイカワは雑魚と言われるわりに、とても美しい魚の1つで、特にオスの体側にでる婚姻色は
緑色が濃く出て、それにピンク色が混ざり美しい。
侘び寂びの世界になりがちな日本産淡水魚の水槽では、稀なはでやかさを醸し出す
貴重な魚でもある。
オイカワの稚魚は体色に特徴がある。川にタモ網をもって採集に出かけたとき、取れた
小魚を見て、これはいったい何だろう??と疑問に思うことが多い。
特に小魚がたくさん取れたときが最もわからなくなる。
こんな時バケツの上からオイカワを見分けるコツがある。
中層を泳ぐ魚の中でまず細長い魚を探す。その中にはウグイやカワムツ等も含まれる。
(その中ではじかれた魚というのは、フナやコイ・モツゴやタモロコ等で、ずんぐりし
ていて太く短く感じられる。)
さらにその中で背中に黒っぽくぼやけた斑点が全体に見られるのがオイカワだ。
これは稚魚に出ている特徴で成長するにつれ消失する。
分布
本州・四国・九州
最近では東北地方にもかなり生息域を広げている。私は20年くらい前、山形県庄内地方のあ
る川の橋の上で川を眺めていた折、10〜15cm位に見える魚達が群れているのを
発見した。橋から川まで5m以上あったので、試しに釣りを試みた、餌は−−−−は
無い。どうしょうと考えた挙句−−なんでもいいや、とりあえずオニギリのご飯粒でも餌に
してみようとボウズ覚悟で釣り糸を垂らしたら、川面のギラギラした太陽の反射に負けじと
銀輪のピカピカ輝く魚が釣れてきた。−−−−−−−−−なんと入れ食い!!
釣れた魚はなんとオイカワばかり!−−え!!東北にオイカワ???しかもご飯粒で!
とビックリした記憶がある。(当時私の所持している本には「オイカワの生息域は関西以西」
と書かれていた。)
これはアユの放流事業により混ざって生息域を広げたもので、オイカワ以外にも、カワムツ・
ツチフキ・ゼゼラ・カネヒラ等多くの魚が生息域を広げている。

飼育

魚を飼育する上でその魚の持つ特性を知りたい場合は。できるだけ生息環境に合わせた

環境を水槽内で作ることが必要である。
オイカワの生活環境は河川の中下流域の平瀬を生息域にしている。(湖沼にも生息する

が、私のイメ−ジは河川。)その平瀬を水槽内で再現するには、大小さまざまな砂利や石
(流木もOK)を平たんに敷くことでオイカワの生息環境が作れる。うまくいけば、繁殖まで
楽しめるのも大きな魅力。
器材
水槽:60cm以上の水槽が望ましい。できれば大きめがよい。素材はガラスでもアクリル
    でもOK。
ろ過:ろ過は必ず使用する。
    上面ろ過、底面ろ過、外部ろ過、オ−バ−フロ−式ろ過とどれでも良いが、今回は
    底面ろ過を例にして図の様にする。底面ろ過にも水中ポンプを使用した物と、エア−
    ポンプを使用した物があるが、水中ポンプを使用した方がエア−ポンプの振動音をカット
    できるし、強い水流を作れるので良い。
砂利 :礫(粒は大小の大きさが混じる方が自然で良い)や石や流木等を組み合わせて
     図のように作成。
     60cm水槽では5cmくらいの厚さに砂利を敷く。
温度調節器 :夏場に30度を超えるような場合は、ファン(水槽用小型扇風機)を使用する。                                                                
          ク−ラ-があればベスト。(25℃以下に設定):ヒ−タ−は不要。
その他器材  :ライト・水温計・蓋・網・水質調整剤・バクテリア・バックスクリ−ン(川底)等         

セッティング
 水槽設置  :オイカワは過度の高温には弱いので日光が直接当たる場所は避け、
   水漏れ・水の運搬・コンセントの有無等を考慮して水槽のセッティング場所を決める。
 ろ過器設置 :  水槽をセットしたら、底面ろ過器をセット。奥に噴出し口が来るようにする。
 砂利入れ  :次に砂利を汚れ・濁り等が無くなるまで洗って、水槽のろ過器の上部に5cm
   位の厚さになるように砂利を入れる。その時奥に少し高くなるように敷くと立体感がでる。
   その後石や流木をセット。奥に大きい物・高い物を、手前に小さい物・低い物を設置する
   と同様な効果が生まれる。
 水入れ  :水道水にカルキ抜きを入れ、ろ過器の噴出し口より少し低い位置まで水槽に水
   を入れる。
 バクテリアの投入 :バイコムスタ−タ−キットがお勧めで、4日間で立ち上がる。

   これを入れないと1ヶ月ほどかかり時間的にも、水質維持のためにも必要。
日常管理
水質管理:オイカワの長期飼育は簡単そうにみえて実は難易度は高い。
        色々な魚達とオイカワを混泳させて飼育すると1番始めに死んでしまうのは
        決まってオイカワである。別に気が弱く他の魚にイジメられる訳ではない。
        オイカワは硝酸塩の蓄積に最も弱く短時間で死亡するためだ。
        よってオイカワを状態良く長期間飼育するためには、安定したろ過と
        定期的な水換えを長期間継続させることが必要だ。これは簡単そうでかなり難しい。
        広い水槽で少なめに飼育することがポイントでもある.。
        また、急激な水温変化にも弱く、水換え時に混泳しているウグイ・カワムツ・モツゴ・
        フナ・コイ等は生きていても、「オイカワは死んでしまった。」といったケ−スが生じる。
        これは体幅が薄い魚に共通している。
        同じ温度差でも水温低下より水温上昇に弱い。
餌    :雑食性でなんでも良く食べてくれるので市販のフレ−クフ−ドや顆粒状のえさで
       良い。ただ、一時期餌によっては、急に食べなくなるケ−スがある。そのような時は
       植物性(プレコフ−ド)に変えてみたり、動物性(アカムシやクリル等)に変えてみ
       ると、再び食べ始めることがある。
病気   :オイカワが状態悪化又は死亡するケ−スは上記の2点(硝酸塩の蓄積と
       水温の急激な変化)によって生ずる事が多い。ただ病魚が混入した場合感染し
       ていくので、魚を追加する場合は要注意である。
       輸送中や移動、ケンカやスレなどにより皮膚が負傷したときは、市販の

       グリ−ンFゴ−ルドの投与で予防すれば、殆ど大丈夫である。予防を
       怠ったときは白点病や水カビ病に罹ることがある。その時は、市販のマラカイトグリ−ン
       液の投与と塩(10Lに対して15g程度)を入れると良い。1週間ほどで完治する。
以上

 2、オヤニラミの話
スズキ科オヤニラミ属  純淡水でこの仲間は日本で1属1種オヤニラミのみが知られている。
 アカメの幼魚期に実は非常に似ているのだが、アカメはアカメ科として独立している。
 オヤニラミをアカメ科にする動きもあるようで、将来変更になるかもしれない。
 外見では間違えなくスズキよりアカメに近い。
  オヤニラミ  この魚は何とも言えず愛嬌がある。飼育するとすぐに人に馴れ自分からよってくる。
 表情も豊かで、頭を振りながら「ご飯ちょうだい」といっている姿に思わずにっこり(^^)。
 餌を与えようと手を上げると「ご飯がくるぞ!何処だ何処だ!」と瞬時に反応し
キョロキョロと周囲を探す。その姿にまたまたにっこり(^^)。普段は鈍くさい動きしかしないくせに
餌を確認したときの素早さといったら天下一品−−−お主やるな!−−−と独り言。
その一面 繁殖期のオスは卵を見守り、敵を睨み追い返す愛情こまやかな魚でもある。
「オヤニラミ」と言う名前の由来はここにある。
 丈夫で繁殖も比較的容易に楽しめるためオヤニラミのファンはかなり多い。
 反面、猟師さんからは毛嫌いされている。水産物としての価値が殆ど無いのに加えて, 網にからまるし、トゲがあるため痛いそうで、取り扱いに注意が必要という。  ある地方ではオバケ扱いだ−−−−−目が4つだって。別名「ヨツメ」
 さらにある地方ではネコ扱い−−−−−求愛行動や産卵木を掃除(毛づくろい)したり、
卵を守って新鮮な水を送る動作などから−−−−別名「ネコノマイ」
 なんとも色々な側面を持った魚である。それだけ親しまれてきた証拠だ。
 
特徴  目の後ろ、鰓蓋の後方に目とほぼ同じ大きさの黒い斑紋がある。(瞳より少し大きい)
そのため、別名{ヨツメ」の名前がある。尾鰭は丸い。
 私はオスとメスの区別がつかなかったため、あるオヤニラミの養殖業者さんにお聞きしたところ、
「オスメスの判別法は大きさ以外に無い」という。  同時期に生まれたものの中に大きいものと小さいものが育つ。それでオスメスを見分けるそうだ。
 「メスの顔は丸みを帯び、オスの顔はとがり精悍な顔をしている。」 という区別は間違え。
 また色彩での違いも殆ど見られないという。
体長 :メスに比べてオスが大きい。最大でメスは11cm・オスで13cmほどになる。
体色:平常時ではクリ−ム色の地に黒の淡い縞模様、各鰭や体が薄く赤みを帯びる。
    緊張時やメスの産卵時などは黒変する。体色はかなり変化するが、
    眉間に走るクリ−ム色のラインは常にはっきりしている。アカメは瞳が赤いが、
    オヤニラミは虹彩が赤い。目から放射状に黒や赤の縞模様が走る(鰓蓋まで)。
分布:もともとは関西以西であったものだが、現在では、分布域がどんどん広がっており
     太平洋側では相模川や多摩川にまで進出している。
     未確認であるが利根川水系にも進出しているという。
  飼育  自然界では、流れの緩やかな、水草の多い川に生息していることが多い。
 繁殖期(4〜8月)では流木や硬い水草の茎に卵を産み付ける。
 水槽ではこの自然環境に近づけてイメ−ジ作りをする。
 縄張り意識が強い為、攻撃性が強く、殆どの魚に攻撃する。
その為単独飼育かペアでの飼育を心がける。混泳や複数飼育は避けよう。
 卵から育てた稚魚の場合、3〜4cmくらいまでならなんとか複数飼育できるが、
それ以上の大きさになると殺し合いになる。
 稚魚を複数飼育する場合は水草や隠れる場所(岩・流木・土管等)を多くする事。
 
器材
水槽 :単独飼育の場合30cm水槽以上あればよい。繁殖を目指すなら60cm
以上が必要

ろ過 :
底面式や外掛け式で十分。
砂利 :大小様々な礫を用い自然に近いものを選び、厚さ4〜5cm位に敷く
     流木等を入れ隠れ場を作る。アナカリスやキクモ・クロモ等水草もいれる
温度調節器 :10℃〜28度くらいで飼育:その範囲外に水温が来る場合は、
          ヒ−タ−やファンを使用する。
その他器材  :ライト・水温計・蓋・網・水質調整剤・バクテリア・バックスクリ−ン(川底)等         

セッティング
水槽設置  :水漏れ・水の運搬・コンセントの有無等を考慮して水槽のセッティング場所を
         決める。
ろ過器設置 水槽をセットしたら、底面ろ過器をセット。奥に噴出し口が来るようにする。
砂利入れ  :次に砂利を汚れ・濁り等が無くなるまで洗って、水槽のろ過器の上部に4〜5cm
         位の厚さになるように砂利を入れる。その時奥に少し高くなるように敷くと
         立体感がでる。
         その後水草や流木をセット。奥に大きい物・高い物を、手前に小さい物・
         低い物を設置すると同様な効果が生まれる。
水入れ  :水道水にカルキ抜きを入れ、ろ過器の噴出し口より少し低い位置まで水槽に水
        を入れる。麦飯石溶液も水質維持の為に入れると非常に効果がある。
バクテリアの投入:バイコムスタ−タ−キットがお勧めで、4日間で立ち上がる。
  日常管理
水質管理
安定したろ過が行なわれれば、水換えは殆ど不要になる。
        NO2(亜硝酸)試薬でろ過が安定している(亜硝酸が出ていない)か調べ、
        亜硝酸        が出ていれば、水換えをしていく。        
        水質の適応範囲は広く弱酸性〜弱アルカリ性までOK。
        硝酸塩の蓄積にも強く、丈夫である。
餌    :肉食性である為、生餌が望ましいが、クリル・乾燥川えび等でも
       十分食べる。冷凍アカムシもOK。

病気   :ろ過がうまく稼動していない場合、アンモニアや亜硝酸が溜まってくると
       砂利などに体を擦らせる動作をする。このとき皮膚が荒れて、白点病や
       水カビ病にかかることがある。その場合市販のマラカイトグリ−ン液ヒコサンの投与と
       塩(10Lに対して15g程度)を入れると良い。1週間ほどで完治する
 

以上

3、アカメの話

アカメ科アカメ属  日本産淡水魚では1科1属1種でアカメのみが知られる。
 オヤニラミがこの仲間に入る可能性を残す。

アカメ  日本固有種でしかも生息域が限られる非常に珍しい魚である。
 日本産淡水魚の中では最も大型の魚種に入り、成長した銀白色の個体は
威風堂々として、目がルビ−色に輝き、その面構えの精悍さは感動すら覚える。
 矢口高雄氏のマンガ「釣りキチ三平」で一躍有名となり、全国にその存在が知れ渡った。
 私も35年くらい前にこの本を読んで感動し、初めてアカメという魚を知り、「飼育してみたい」
と夢を見るようになった1人だ。嬉しいことに今夢は実現している最中。
 小・中型個体ではルア−釣りの対象となり、大型魚では30cmにもなる
コイやボラが餌として使われると言うから豪快だ。釣り人の憧れでもある。
 産卵は海のアマモ場で行なわれるらしく、生まれて4cmくらいまではそこで暮らし、
稚魚が4cmくらいになると河口域に進入してくるという。
 成魚では水平に泳ぐが、幼魚期では頭を下にしてジッとしていることが多い。
泳ぐときでも頭を下げて泳ぐ。これは稚魚期にアマモ場で暮らし、アマモに隠れながら
 生活している為である。その癖は50cmに成長してもなお残っている。
 
特徴

体長 : 成魚では1mを超える。
体色 : アカメと言う名前から解るように、目がルビ−色に輝く。
       幼魚時代の目は、小さいうちは黒く
角度によってやや赤く見える程度であるが、
      成長するに従って赤さを増す。
       成魚の固体では体全体が銀白色に輝く。幼魚期ではオヤニラミに良く似ており
      淡いクリ−ム色の地に黒褐色の縞模様が入る。口から眉間をとうり背びれまで達する
      1本の淡いクリ−ム色のラインが良く目立つ。
      成長するに従って、淡いクリ−ム色は銀白色に変わり、黒褐色の縞模様はだんだん淡くなり無くなる。
体型 : 体高が高い割に体幅は狭く感じる。成長すると頭がいわゆるスプ−ンヘッド
      になっていく。

分布 : 主な生息域は高知県四万十川と宮崎県大淀川の汽水域であるが、九州・
      四国・紀伊半島の太平洋沿岸域にも回遊している。
  飼育
 非常に神経質で臆病な魚である。常に周囲を警戒しており 魚やエビを捕食すると一瞬で反転し元の位置(定位置)に戻ろうとする。
これは、身の安全を図る為の本能的な習性であろう。
定位置とは安全なアマモの陰という意味で、水槽内でも定位置をつくる。
 物音等にビックリしてガラス等に頭をぶつけて死亡するケ−スがあるので、 静かな環境作りが必要である。
 オヤニラミと同じように攻撃的な為、単独飼育をする。
 慣れてくると非常に人になつく。30cmを超えれば水中で手の上に載ってくるようにもなる。
手乗りアカメ。飼い主の特徴を良く覚えているようで、当店のアカメは私が近づくと、体を振りながら
近づいてくるが他の人が近づいても無反応である。当店の他には、高知の桂浜水族館でアカメ
が常に飼育展示されている。ここでは1m級が見られて壮観である。

稚魚: 河口域のアマモ場に生息する。一般ではアマモの入手が難しいので、
    似ているスクリュウバリスネリアやジャイアントバリスで雰囲気を作るが、
    他の水草でもかまわない。
    オヤニラミと同様にセットして、飼育水を汽水にするが海水の10分の1程度の希釈にする。
成魚: 汽水でも海水でもOK、1m以上に達する為大掛かりな水槽セットが必要になる。
器材
 アカメの飼育は3cm〜100cm位まで考えられるので、そのサイズに応じた飼育器具が
必要になる。水槽は大きければ大きいほど水質が安定して良い環境作りができるが、
最終の成魚に対応した水槽で1から飼育を考えてしまうと、3m水槽に3cmのアカメを飼育 したのでは、何処にいるのかわからず観察もできない。これでは笑い話になってしまう。よって
魚のサイズに応じた水槽サイズを選ばなければいけない。
 3〜10cm位のアカメなら30cm〜45cm水槽でもOK
 10〜20cm位では60cm〜90cm水槽
 20〜50cm位では120cm〜250cm水槽
 50〜100cm位では3m〜5m水槽で飼育することになる。 一例ではあるが、ここでは10cmくらいのアカメの飼育を例にとって60cm水槽を
セッティングしてみる。オヤニラミと同じ図○をベ−スに水草を多めにして土管を削除すれば良い。

日常管理
水質管理 非常に丈夫であるので、ろ過が良く効いていればそれほど水換えはしなくても良い。
         弱酸性〜弱アルカリまでOK、硝酸塩の蓄積にも比較的強い。
         ただし塩分濃度には注意が必要である。アカメを輸送してきた水がそれまで
        長期的に暮らしていた汽水濃度とは限らない為、
        当店では海水の10%濃度の汽水から飼育を始めている。それで様子をみる。 
        初めから30%くらいにすれば?と思われるかもしれないが、
        調子を崩したとき、その30%が濃いのか薄いのか判断できない。
        10%にすれば濃度を上げるだけでよい為、間違えが発生しない。
 
餌    : 肉食性でエビ・ザリガニ・魚等を捕食する。生餌を好むが乾燥カワエビやクリル
       でも良く食べる。稚魚のうちは特に生餌の甲殻類の食べ過ぎに要注意、
       モエビなどを毎日食べるだけ食べさすとぽっくり病で死んでしまう。これは消化不良
       によるもので、肉食魚によくある例だ。
        8〜10cmのアカメを例にすると、メダカ2尾を2日間与えモエビ2尾(メダカ
       と同サイズ)を1日与え次の日は絶食−−−これを繰り返すと調子が良い。
病気   : 飼育していて最も多い病気は塩分濃度による体調悪化である。
         初めから体調を崩すというより、徐々に変化することが多い。体色が黒ずみ、
        体の皮膚が白くふやける(はがれる)ような状態になる。これが塩分濃度が
        合わない場合に起こる症状だ。早期発見が決め手で、発見が遅れると死にいたる。
         飼育してから2週間くらいはこの症状が出やすいので要チェック!
         対処方法としては、@、塩分濃度を海水の20%にあげる。(症状が急の
        場合は30%にする。)A、グリ−ンFゴ−ルド顆粒を規定量の半分入れる。
        B、マラカイトグリ−ン液ヒコサンを規定量入れる。
        これで約1週間で完治する。色々試したがこの方法が最も確実だ。
         他の病気については、オヤニラミと同じでOK
         
   

4、タナゴの話

 旅行やアウトドアーで小川や池あるいは田圃の横にある水路を見つけると、
ちょっと覗いてみたくなることがありませんか。魚達の姿がチラッチラッと見えれば
もう、嬉しくて何が泳いでるんだろうと、ワクワク、ソワソワ!
ついつい網を持ち出してーーーーザクザクっとすくってみると小さいけど体高のある
魚が採れた時は目が点になって「やった!タナゴだ!」そんな経験をお持ちの方も多いのでは。
私の住んでいる所ではタナゴがいないため、そんな喜びも一入なのである。
 季節によっては非常に綺麗な魚が採れてびっくりしたことがありませんか?
 普段はグレー一色のタナゴも結婚の季節が来ると♂が発情して非常に美しい婚
姻色を醸し出す。わびさびの世界の日本産淡水魚の中で最も輝きを増す一瞬だ。
 日本には16種類のタナゴが生息しているがそれぞれに異なる婚姻色を表現し
ている為、どの種類が採れても感動の連続!美しい!
 タナゴを飼育するとさらにもう1つの感動が味わえる。それは繁殖にある。
なんとタナゴは2枚貝に卵を産むのだ。 そんな日本の秘宝タナゴについて話を進
めることにする。

第1章、タナゴってどんな魚

 池や川・田圃の側溝(堀上)などに生息していて水草の陰や流木等障害物の陰
にひっそり隠れている場合が多い。
 体高が高く体幅が薄く、体表は繊細で傷つき易い。
 タナゴ釣りというそれ専門に狙った独特な釣り方がある。冬場に良く行われる釣りで、
その繊細な釣り方に結構はまってしまう人も多い。
 日本には3属16種のタナゴが南西諸島を除く全国に生息している。
 その中でタイリクバラタナゴとオオタナゴは外来種だが、アクアリストや採集
大好き人間にとっては採れたら嬉しさ百倍!飼育すりゃー可愛さ千倍である。
ただし採集したこれら外来種の魚達は他地域に放流してはいけない。
 日本本来の魚達を絶滅させてしまった例がかなり報告されているからだ。
 また、外来種規制法に指定されると採集や飼育が出来なくなるので
放流は厳禁だ。
 タナゴはコイ科の魚なので錦鯉やフナ・クチボソなどと同じ仲間であり、
ハゼ科の魚とともに日本産淡水魚の2大勢力を形成している。
(タナゴに良く似たウミタナゴという魚も海にいるが、これはウミタナゴ科
という別の魚なので今回は省略。)
 では、どんなタナゴが日本に生息しているかというと

   タナゴの分類

1、アブラボテ属(Tanakia)
  1、アブラボテTanakia limbata)
  2、ヤリタナゴTanakia lanceolata)
  3、ミヤコタナゴTanakia tanago)(天然記念物)

2,タナゴ属
  4、イチモンジタナゴ(Acheilognathus  cyanostigma)
  5、タナゴ(マタナゴ)( Acheilognathus  melanogaster)
  6、イタセンパラ( Acheilognathus  logipinnis)(天然記念物)
  7、カネヒラ( Acheilognathus  rhombeus
  8、アカヒレタビラ( Acheilognathus tabira erythropterus)
  9、シロヒレタビラ(Acheilognathus tabira tabira)
  10、セボシタビラ(Acheilognathus tabira subsp.)
  11、ゼニタナゴ(Acheilognathus typus)
  12、オオタナゴ(Acheilognathus Macropterus)(外来種)

3、バラタナゴ属(Rhodeus)
  13、カゼトゲタナゴ(Rhodeus atremius atremius)
  14、スイゲンゼニタナゴ(Rhodeus atremius suigensis)(種の保存法)
  15、ニッポンバラタナゴ (Rhodeus ocellatus kurumeus)
  16、タイリクバラタナゴ(Rhodeus ocellatus ocellatus)(外来種)
の以上16種が現在日本に生息している。その中でイタセンパラとミヤコタナゴは
国の天然記念物に指定されており、スイゲンゼニタナゴは種の保存法という法律により
採集・飼育・販売が3種とも禁止されている。

第2章、タナゴの飼育方法

A、水槽のセッティング
  採集したりショップで購入した魚を飼育してみよう。
  まずは飼育器具の選定であるが、繁殖を目指すなら60cm以上の水槽が必要である。
  鑑賞だけなら45cmでも可。
  今回は60cm水槽を例にして水槽作りをしてみよう。
1、60cm水槽をセットする:(前面が曲面ガラスになっているほうが見やすい。)
  合計重量が80Kgくらいになるのでそれに耐えられる場所を選ぶ。
  水槽はセッティング前に軽くすすぐ程度に洗っておこう。
2、上面フィルター(外部式でも可)をセットする:ニッソウ・スライドフィルター60等を使用
3、フィルターのろ過材をセットする:パワーハウス・ハードタイプM1Lを軽く洗って
  入れ平にする。その上にニッソウ純正マット(3枚入り)白を1枚敷く。
3、底砂を敷く:田砂(繁殖用の2枚貝を入れる為細かい砂が良い)12Kgを濁りが取れるまで洗う。
  前面を少し低くし、後方が高くなるように砂を敷く。 こうすると立体感がでる。
  他の水槽でも是非試してみよう。
4、水を入れる:底砂の上に皿などを載せ砂が舞わないようにそっとその上から
  カルキ抜きした水道水をいれる。
5、水草・流木・岩等を入れる。
6、2枚貝を入れる。:タナゴの種類によって入れる2枚貝の種類が異なるので注意
7、バクテリアを入れる:これはろ過能力を高めるためにも必ず入れよう。バイコムの淡水用78
  を100ccと同じく淡水用21を20cc入れる。
8、タナゴを入れる:2〜3日フィルターを回してから魚をいれよう。これでセッティングはOK 

B,日常管理
1、餌やり: 水槽をセットしてから3ヶ月くらいは、まだバクテリアがあまり付いていないため
  1日1回にする。3ヶ月が過ぎたら1日2回にしていけばよい。餌を与える時間は朝でも
  夕方でもよいが毎日だいたい同じ時間に与えたほうが魚の体調が良いようだ。
   餌はフレークフードやペレット(小粒)などをいろいろあげるといいが、
  1週間に2回くらい植物性のプレコフード(特にキョ−リンのプレコフードがベスト)を
  与えると調子が良い。
2、水替え方法: 熱帯魚などの本には、
  「1週間に1回水槽の3分の1〜半分の水換えをしてください。」と、よく書かれているが、
  私の実践している水槽管理は異なるので、以下の方法をお勧めする。
   白濁、黄濁、匂いが出てきたとき、(平常時はほぼ無臭)、魚が変な動きをして
  きたとき(砂に体をこすり付けて、かゆがったり、水流に必死に向かっていこうとしたり、
  いままで元気良く泳いでいたのに底でじっとしているようになった等)
   以上の症状等が出てきたときに初めて水換えをしてください。
   水換えは悪くなった水を捨てるという反面、いいバクテリアを捨てることにもなる。
   魚の密度、餌の量、バクテリアの定着状況により水替え頻度は変化するものなので、
  定期的な水替えはせっかくいい状態になった水を捨てて、
  初めに戻すことにもなりかねないので注意!上記の方法を薦める。
3、砂の掃除: いつ掃除するかという判断は結構難しいのだが、
  魚が病気に成ってしまった時。底砂にゴミがいっぱい溜まってしまった時等である。
4、病気 :白点病になりやすいが特にニッポンバラタナゴやゼニタナゴは皮膚が
  繊細で傷つきやすいため網等ですくう場合も丁寧にすべきだ。
  白点病や水カビ病の場合マラカイトグリーン液ヒコサンを使えば約1週間で治る。
  そのとき塩(ご家庭で一般に使用されている食塩でOK)を水10Lに対し15g程度
  溶かして入れると効果がさらに上がる。採集時やショップから購入したときに
  皮膚が荒れていたり、スレや傷があった場合には、バケツに魚を入れ、
  グリーンFゴールド顆粒を規定量入れて1週間程薬浴してから、魚を水槽にいれよう。
5、暑さ対策: これから夏にかけて水温が上昇してくる。
   その対策をしないと全滅の憂き目に会う。
   出来るだけ風通しのいい涼しいところに水槽を設置してあげるとともに
  28度C以上に上がらないようにする。
   例えば水槽用クールファンを使用すると水温が3〜4度C下がるのでお勧め!
  (よくご家庭用の扇風機を使用している人がいるようだが扇風機は
  24時間使いっぱなしの対応にはなっていないので、厳禁!!)


第3章、タナゴの繁殖
 タナゴは非常に珍しい産卵形態をとる。なんと2枚貝に産卵するのだ。
ということは2枚貝が無いと繁殖できないことになる。
 上記の60cm水槽にタイリクバラタナゴ(一例として)を5pr〜10pr入れる。
タイリクバラタナゴは集団で生むので比較的に飼育しやすい。
あまりテリトリーを作らないので親魚の数がおおくても良い。鑑賞と繁殖を同時に楽しめる。
 カワシンジュガイ・ドブガイ・カラスガイ等を5〜6個入れる。二枚貝が少ないと産卵が集中して、
貝が窒息死してしまう場合がある。また、産みやすい貝の角度があるようで、
少ないとやはり集中してしまう。産卵された貝はそっと他の水槽に移してあげると良い。
 何回も産卵させると貝が窒息死してしまうからだ。
 また、貝の移動は出・入水菅等を引っ込めさせて、貝が閉じてから行う。
手荒く扱うとせっかく産卵したのに卵が出てきてしまうので要注意!
別水槽は本水槽と同様に作り、エアレーションをしてあげると良い。
 強い固体と弱い固体が出てくるので隠れ家になる水草や流木・岩等をできるだけ
入れてあげる。場所は周囲で中心部分は砂場にして産卵が観察しやすいように設置すると良い。
稚魚は20日くらいで貝から出てくる。この時他の魚(ドジョウは問題なし)がいると
稚魚が食われてしまうことが多々あるので要注意。
 タナゴには春産卵型と秋産卵型と春〜秋にかけてずっと生み続けるタイプがある。
 秋産卵型は、ゼニタナゴ、カネヒラ、イタセンパラ
 春〜秋はタイリクバラタナゴとオオタナゴ(両方とも外来種)
 春産卵型はその他のタナゴとなる。
 日本のタナゴは1年に1度の産卵シーズンだが、外来種は3シーズンつまり殆ど1年中産卵している。
産卵数も1年を通せばはるかに多くなる。日本に侵入した外来種は、この産卵数の多さで
いっきに数的優位に立ち、日本のタナゴが駆逐されていくのだ。
 そうはいってもタイリクバラタナゴは1年中婚姻色が出ていて常に美しいことになる。観賞用としては
人気は高い。また価格が最も低いので初心者にはもってこいとなる。
日本のタナゴを守るためにも、飼育した魚は放流しない事が肝心である。

第4章、二枚貝の長期飼育

 最近の河川の改修等にて、2枚貝が繁殖できない状態になり、
同時にタナゴが姿を消すという事態が各地で起こっている。
水槽でタナゴを繁殖させるには2枚貝をいかに長生きさせるかがポイントでもある。
 しかし、2枚貝を長期飼育することは非常に難しい。
 その中での成功例をあげるので参考にして欲しい。

 豆乳を使った長期飼育の例。
 バケツに「紀文の無調整豆乳」を入れ5倍〜10倍に希釈(カルキ抜きした水道水を使用)する。
(豆乳の種類によっては濃度や粘度が高く使えないものもあるので注意。)
 貝(大型貝で3〜5個、小型の貝なら10〜20個程度)を入れエアレーションを3時間程度行う。
貝が水没しなければ豆乳と水の量を増やす。この過程を1週間に1度実施する。
 すると元気がなく砂に潜れなかった貝が復活して砂に潜るようになる。
 この対象はカワシンジュガイで効果がでているが、他の貝では不明、貝によって異なるという。

以上     

 
       

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