貝の話

 
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H19年11月10日

目次
1、恐怖のキラ−シェルの話
2、キラ−シェルの話:PART2
3、キラ−シェルの飼育
4、目のある貝の話
5、淡水2枚貝の飼育

第1話恐怖のキラ−シェルの話(H13年4月13日)
 南の海には、いろいろな毒を持っている生き物がいる。ウミヘビやオニヒトデ
シロガヤにミノカサゴ、オコゼにラッパウニ−−−これらは良く知られた毒を持つ
生き物達である。だがウミヘビ以外は死ぬ様な猛毒ではないし、ウミヘビは、みれば
ほとんどの人が警戒するであろうし、ビックリして逃げ出す人さえいるはずである。
 ところが、これから紹介する貝に刺されると死に至るという、
とっても恐い貝がいるのである。さらに問題なのは、これらの貝を見つけたら
ほとんどの人が手にとって、その美しさに惚れ惚れしてしまう点にある。
 よってこの話は、知って得するどころか、知って生き延びる事ができる話でもある。
 その貝群は、イモガイという貝の種類にいる。
 その名は、
1、アンボイナ写真2
2、
シロアンボイナ写真1
3、ムラサキアンボイナ
4、
タガヤサンミナシ写真3
5、
ニシキミナシ写真5
6、
ツボイモ写真6
7、
アジロイモ写真4
 これらは、超危険である。外国では、キラ−シェルつまり殺人貝と呼ばれている。
 海外ではアンボイナによる死亡例が多い。
 日本ではタガヤサンミナシで死亡例が報告されている。
 沖縄でダイバ−がタガヤサンミナシをウエットス−ツの中に入れていて
刺されて死亡したそうである。血清は−−−−無い−−全く無い。
刺された時の対処は−−−−海外(南の島のある国)では刺された腕や足を
切り落とすそうである。
 おそらくあまりに猛毒の為、止血や毒を吸い出す時間が無いのであろう。
 では体を刺されたら?−−−貴方ならどうする?−−−ぞ!ゾ!Zo!である。
 どうして日本ではタガヤサンミナシ意外で死亡例がないのか?
 タガヤサンミナシの分布は広く紀伊半島南端から四国の高知県、九州南端から
沖縄にかけて生息しており、個体数が最も多い。他の6種は鹿児島県以南で
生体を見つけることは希である。その為だと考える。
続く

H13年4月16日
 私は、これら7種のキラ−シェルの貝殻をすべて沖縄で採取しているが、
残念ながら、生貝を見つける事ができたのは、タガヤサンミナシだけである。
 以下の話はその時のエピソ−ドである。

 私が大学1年の時、水研で座間味島に合宿していた時のことである。
かねてより本や図鑑などでキラ−シェルの事は知っていたので見つかれば
いいな、くらいにはおもっていたが−−−。
 水深3m位の場所で岩(巨大なノウサンゴ)と岩の間の砂場のなかにチラリ
と網目模様の緑っぽい貝の先がみえた。タガヤサンミナシだ!
 でもきれいなので、貝殻であろうと潜って近づくと−−−生きていた。
 なぜ?−−−なぜ?生きているのにこんなに奇麗なの?
 この疑問は、イモガイを良く知っている人なら解るはず。
 例えば、アンボンクロザメやオトメイモなど一般のイモガイが、
生きているときは、貝殻の表面に緑の苔が必ず付いている。

H13年4月23日
 その為、イモガイの標本をつくるには、その苔をナイフなどで削らなければ
いけない。また、苔を取らなければ、何の種類かもわからない状態なのである。
 それがタガヤサンミナシは、苔が全く付いていないのである。
 これは、おそらく体から強力な毒素が出ていて、苔が生える事ができないのであろう。と考えられる。
 話が脱線してしまったので元に戻すと
「ワ−きれい!」となる。
 絶対採ろう!でも恐い!どうやって採ろう?どうやって刺すんだっけ?
 確か矢みたいな歯舌を飛ばすんだっけ、じゃ射程距離は?どこから飛ばす?
どの方向に飛ばす?−−−んなこた−解らん???えい!採っちまえ!
 と、持っていたタモ網で砂ごとすくってしまった。10cm位の大型であった。
 嬉しさ100倍、恐怖1000倍である。タモ網の柄は30cmしかない、網の深さは、
40cm、手や体との距離は最低20cm」はないと危険である。−−−−−−
−−−これが大きな間違いだったとは、そのときは知る由も無い。−−−−
岸まで200m−−この距離はほんとに長く感じた−−−泳いでいると珊瑚礁
で生じた不規則な流れで、網の底のタガヤサンミナシは我が輩の体に
当たったり手に当たったり−−そのたんびに私は水中でチャップリンを
演じてしまった。−−−うわ!−−よよよるな!
 1年程寿命が縮まって、やっと岸までたどり着いた私は、
「先輩、タガヤサンミナシとりました!!」
 これが水研始まって以来のキラ−シェル捕獲第一号となった。
続く

H13年5月8日
 その日はもう1つ採集され合計2つ取れた。
 さてそのあと、貝類班が採れた貝を標本にする為煮た後である。
 同期の1人がタガヤサンミナシを解剖した。するとウイリアム・テルが使うような
矢筒が現れ、その中には40本近い矢(歯舌が変化した物)がでてきたのである。
 1番大きいものは1cm程有り、その根元には毒腺が付いていて螺旋状に
バネのように折りたたんであり、矢を引っ張るとなんと30cmも伸びたのである!
 最大射程距離は実は30cmもあったのである。−−−わたしは−−−−−−−
−−さ−っと青ざめる思いだった−−−甘かった。
 ただしキラ−シェルといえど、人間に捕まればビックリして貝の中に引っ込んで
しまう。5分とか10分とか長い間つかみ続けたときに、貝ものそのそと這い出して
きて刺すのであろう。沖縄で刺されたダイバ−はウエットス−ツの中に
タガヤサンミナシをしまっていたそうだ。つまり体と貝が長時間接した状態に
なって刺されたのである。
 貝を採集して、手に持ったりポケットにしまうことは、非常に危険である。
 絶対止めよう!

H13年5月19日
 ところでキラ−シェルを私は7種類と前記したが、ほかにもまだまだあると思う。
 ある文献では、クロミナシやベッコウイモなどもその仲間とするものがある。
 しかしベッコウイモなどは、千葉県以南の太平洋岸ならそれほど珍しくなく
私など甘辛くして煮ると実にうまい!−−−話が違う?−−−−
というぐらい、よくとって食べたのである。文献を見てビックリしたくらいだ。
 ベッコウイモは形状的には7種と似るが、大きな相違点は苔がつく点にあると思う。
つまり毒素が無いか低いと思われる。
 クロミナシは7種とは形状的に異なっている。生息数も多いのに刺されたという
報告は知られていない。
 それより恐いと思ったのは、タガヤサンミナシと良く似ていて、大きさが2〜3cm
の貝がたくさんいたのである。苔もまったく付かず、奇麗である。
 図鑑で調べても、これだ!という種類がみつからず。もっとも近いのは
ビクトリアジョオウイモとなった。−−−−まさかね?−−−−−−−
 でもこれはキラ−シェルの可能性がかなり高かったので、座間味島で知り合った
人や民宿の方々に、実物をお見せしながら、注意を呼びかけておいた。
 もう25年も前の話である。
 キラ−シェルは我が店に6種保管しているので。南の島に旅行される方は
1度は見に来て下さい。死なずにすみますよ!

第2話キラ−シェルの話:PART2(H15年5月12日)
昨日とんでもない貝が入荷した。キラ−シェルだ!!
その名を
ニシキミナシ写真5
・ナンヨウクロミナシ
ミナミノアジロイモ(omaria)写真1
特にニシキミナシは7cmくらいあり美しい!
3種とも当店初入荷−−−−−−−−もうワクワクである。
キラ−シェルについての話を私は記入しているが
その経験談からしばらくして色々研究が進んだようである。
イモガイの仲間には餌となるものの違いで以下の3つに分けられるそうだ。
1、魚食性
2、貝食性
3、虫食性(ゴカイなど)
その中で最も危険なのは1、魚食性の貝たちだという。
キラ−シェルの中でも最も危険と言われるアンボイナがこの仲間に入る。
そして昨日入荷したニシキミナシもその1つだ。他にはシロアンボイナ・ムラサキアンボイナ
ベッコウイモなどである。ただこの仲間でも殺人例があるのはアンボイナだけだそうな。
その後の実験によると他の貝は毒素?が低いという。ただし実験対象となったのは
ラットつまりねずみであり人間に対してではないそうだ。ま-あたりまえだが
ここが注意点である。
実験で2、貝食性のイモガイは危険度が低いという。しかしタガヤサンミナシでは人間の死亡例が報告されている。ということは、ラットには効かないが人間には猛毒だという結論になる。
実験をされた方もその点を注意している。
この仲間にはタガヤサンミナシ・アジロイモ・ミナミノアジロイモ(omaria)・ツボイモ・ソウジョウイモ
クロミナシ・ナンヨウクロミナシなどがある。この中で人間の死亡例があるのはタガヤサンミナシ
だけだ。
3、虫食生のイモガイは殆ど害はないそうだ。上記以外の多くのイモガイがこの仲間にはいる。
勿論この仲間のイモガイで人間の死亡例はないという。
結論からいえば、「君子危うきに近寄らず!」というように
1、魚食性のイモガイと
2、貝食性のイモガイはすべて気をつけろ!!−−−−−ということだ。

え!−−−「そんなのどうやって見分けるんだよ!!」−−−−ってか?
いい質問である。
実は見分けられるのである。
1、魚食性の貝たちは−−−薄い白っぽい地に茶色又は紫又は黒などの
−−−−−−−−−−−−グラデ−ションがかった波模様がはいる。
2、貝食性の貝たちは−−−薄い白っぽい地に茶又は紫又は黒又は緑の網目模様が入る。
そしてこれらの貝のすべてが生きていても模様がはっきりわかる点が共通項である。
よって、模様のハッキリしている長円錐形(長三角っぽい)貝は要注意だということだ。
皆さんご理解いただけましたでしょうか?

さてニシキミナシである、水槽内で魚を襲って食べるシ−ンを
是非みてみたいものだ!

完 

第3話 キラ−シェルの飼育H15年5月24日)
ニシキミナシを購入されたお客様 I氏より連絡があった。
購入した翌日、魚を吐き出したという。
ニシキミナシの入っていた120cm水槽でシマイサキが行方不明になっている事を
報告したところ、ズバリそのシマイサキであった。
「あ-残念魚を捕まえた瞬間を見てみたかった。」−−−というと
「私が代わりにみてあげますよ」−−−−−ですって。

H15年5月25日
ニシキミナシの報告が追加で入った。
I氏によると、1週間で7尾のイナを食べたそうだ。
なんと毎日1尾ずつ食べている。−−−−−−すごいネ!!
夜に魚を捕獲しているため、まだその一瞬は見ていないという。
しかし、自然界では、ほんとにそんなにたくさん食べれるんだろうか?
夜、魚の寝込みを襲うのだろうが−−−−−−−ムムム
食べれるときはガンガン食べて、食べれない時は長期間へいき!!−−−−−なのかな?

第4話目のある貝の話(H15年6月5日)
皆さん、目がある貝をご存知でしょうか?
「でんでんむし だろ」−−−−って−−−−−確かに
でも、今回の話は海にいる貝である。その名は
クモガイ  写真1
観光地のお土産屋さんに行くと貝殻を良く見かけるが、
生きている貝はめったにショップで販売されていない。
それゆえ、生態を知っている人は少ない。
手の平くらいの大きさがある為,大型水槽が欲しい。
砂地に生息しているので、パウダ−サンゴ砂が敷かれていれば最高。
この貝の仲間は目が大きく良く目立つ。手を近づけるとサッと体をひっこめる。
よく見えている。体から2本の眼柄が伸びその先に目がある。
眼柄の間に口があるのだが、これがまた面白い。伸び縮みするホ−スみたい。
見方を変えると象さんの鼻に近い。この口を砂の中に突っ込んでゴカイを探すのである。−−−−−イモガイと同じ!
たぶん、イモガイと同じように、歯舌の変化した毒針を口から発射して獲物をとらえ、
丸呑みするのであろう。
生きている貝を掴み上げるとネト−とした透明の粘着液を出すときがある。
これが貝の食事中の証拠で、いわゆるヨダレのようなもの(消化液)。
餌はゴカイの仲間。ときどき半分消化されたゴカイがでてくる。ちと、気持ち悪い。
ライブロックから時々ゴカイ(イソメ)の仲間が湧いてくるときがあるが、
そんな時はこの貝がいれば食べつくしてくれる。
また、砂の上を、砂を蹴っ飛ばしてアッチコッチ動き回るので砂にコケがつかない。
マガキガイも同様で掃除しているわけではないが、結果的にコケが砂につかない。
よく本には、「砂のコケを食べる。掃除屋さん」 などと書いているものを見るが、
これは間違えである。

第5話 淡水2枚貝の飼育(H19年9月2日)
二村様のご報告を公開いたします。二村様ご了解済み)
昨日9月1日にかなりマニアックなお客様が2人で来店された。
魚や昆虫・植物にいたる全般にかなり知識が豊富なかたたちで
ご来店の度に話が盛り上がる。当店よりタナゴや二枚貝をいろいろ購入された二村様が
非常に面白い実験の報告をくださったので、皆様にご紹介いたします。(もちろん二村様了解済みである。)
一般に淡水性2枚貝の飼育はかなり難しいのは周知のことである。
養殖場でも諦めている。エサは豆乳等が知れているが
それでもなかなか成功しない。6ヶ月が限界であった。
そんななかで、二村様は
豆乳を使って2枚貝を長生きさせる方法を見つけられた。

「豆乳を2倍希釈した溶液をバケツに入れてエアレーションする。
その中に2枚貝を3時間投入する。と非常に元気になり復活する。
それを1週間に1度実施する。卵が入っていても問題ない。
これで6ヶ月以上の飼育が簡単にできる。」

−−−−−そうである。
砂の中に潜る気力のなくなった貝も上記の方法を実施すると、元気に砂に潜りだすそうだ。
6ヶ月以上経っている個体も今だ元気そのものだそうだ。
私も豆乳がいいということは知ってはいるものの、水槽に直接豆乳を投入することばかり考えていたため
豆乳が腐って水質が最悪の場合腐敗する事を恐れて、実施できずにいた。
この方法だと沢山の2枚貝を飼育していても順次3時間ごとに入れ替えればすむことで
大変簡単に実施できる。2枚貝飼育の常識を破ったすばらしい提案でもある。
皆さんも二村様の実験にそって実施してみてください。
タナゴの産卵が非常に容易になりますぞ!!
全国のタナゴファンになりかわり、二村様に感謝いたします。
情報を公開してくださいましてありがとうございました。

H19年10月7日
豆乳の種類によって誤差が出る模様
また、エアレーションは荒い方がいいそうだ。
泡が出すぎる場合3倍・4倍の希釈にする等の応用も必要
1度に入れる貝の数量はどのくらいにするか等
二村氏に再度詳しい情報をお聞きしてみる。

H19年11月4日
昨日二村氏が2人で来店されたので、豆乳の情報をお聞きしたところ
使用した豆乳は
 「
紀文の無調整豆乳」 
二枚貝は
 「
カワシンジュガイ」−−だそうだ。
注意しなければならないのは使用する豆乳の種類で
「すごい大豆」といった豆乳は、濃度や粘度が高く不向きだそうだ。
また、貝の種類によっても効果が異なる場合も考えられるという。

この日他にW氏とT氏の2人の日淡ファンが時を別にしてご来店され、
「二枚貝の飼育」を見ましたが
非常に参考になって、カワシンジュ貝が元気になりました。−−と言われたのだが
そのとき、横に二村氏がちょうど居られて、話が盛り上がってしまった。
W氏は二村氏と同様に紀文の無調整豆乳でカワシンジュガイを復活させたという。
偶然にも全く同じ体験をされて意気投合したようだ。
W氏は
「円筒状の口は狭くて高い容器で実施したところ泡だらけになってしまい失敗したので
バケツのように口が広いほうがいいようです。」−−−と体験談を話された。
W氏は天然ゼニタナゴ2prと養殖ゼニのLL1prを購入されて繁殖にチャレンジするようである。
T氏も同様に二枚貝の飼育の話をされたとき二村氏が横にいられてW氏と同様に話がもりあがった。
T氏は「南京」の飼育で賞をとったこともあるそうで、今度当店に持ってきてくださるそうだ。
私は南京の飼育をしたことが無いのでいろいろお教えいただくことになった。
楽しみがまた1つ増えた。T氏はこの日3尾いた珍魚のウケクチウグイをすべて購入していかれた。
結局二村氏は当店に4時間も生息されて、悩みに悩まれてアリアケギバチを購入されていったが、
帰り際 「後日アカメの小さいのを買いに来ますので取っておいてください」−−と言って行かれた。
−−−おいおいいつまで取っておけばいいの??
でも−−−−−−−本当にマニアックな人たちである。
4人とも目がキラキラ輝いていい笑顔!楽しそうであった。

H19年11月10日
その後
二村氏よりメールをいただいて
「希釈度は2倍では、濃すぎるかもしれない。というのも
貝がその後白い物体を吐き出したので、濃すぎるたのが原因の模様」
「5倍くらいでいいかもしれない。」−−−という。
これで、皆さんの意見が一致してきた。

 
       

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