目次
1、サワガニの話
1、サワガニの話
サワガニを楽しもう
1、サワガニってどんなカニ???
サワガニ(Geothelphusa dehaani)は湧き水のでている小川や、田んぼの周りの堀上など、水のきれいな場所に生息している。
流れがある場所を好み、石の下などにも多い。水中生活に適合しているため、陸上に上がらなくても生活できるのが特徴的だ。皆さんも、子供の頃にそういった場所でいろんなカニと遊んだ記憶をお持ちの方も多いのでは?
でも、本州・四国で純淡水性のカニは実はサワガニだけなのである。――――――え!っと思われる方もおられるであろうが、このサワガニ君非常にカラーバリエーションが多く特殊な生態をしている。
関東・東北ではホワイト系とパープル系が一般的であるが、淡いオレンジ系もみることがある。足と甲羅が同色なのはパープル系のみで、その他は足と甲羅の色が異なる。足の色でいうとホワイト系とレッド系とオレンジ系に分かれる。
さらにホワイト系でも甲羅の色がブルー・パープル・グレイの3つに分かれるが中間色も多く明確には分かれない。
年前四国より、美しい真っ赤なサワガニや色鮮やかなオレンジのサワガニが送付されてきたときには、感動もの!関東や東北に生息している私としては目を見張る思いであった。
これだけ違うと子供心にいろんなカニの思い出として残っていても不思議ではない。
川の中下流域などで、モクズガニ(上海ガニの仲間)をよく見かけるが、これは汽水域に限られ、純淡水域では生活していない。
また、サワガニはから揚げなどで食卓に上ることもあり、最も身近なカニともいえる。ただし、肺臓ジストマの一種・ウェステルマン肺吸虫(Paragonimus westerman)の中間宿主なので、生食は厳禁である。 分布:北海道・本州・四国・九州に生息している。純淡水域で生涯をすごす。 北海道は最近少数が見つかっている為、生息域の北限になった。
また、南限は屋久島で、それより南の島々に生息するサワガニは別種となる。
サワガニ(Geothelphusa
dehaani)の仲間たち
殆どが沖縄や奄美大島・トカラ列島等の南方の島々に生息している。
1、サカモトサワガニ(Geothelphusa sakamotoana)
2、ミカゲサワガニ(Geothelphusa exigua)
3、ヤクシマサワガニ(Geothelphusa
marmorata)
4、アラモトサワガニ(Geothelphusa
aramotoi)
5、タイワンサワガニ(Geothelphusa candidensis)
6、リュウキュウサワガニ(Geothelphusa obtusipes)
7、オオサワガニ(Geothelphusa levicervix)
8、ヒメユリサワガニ(Geothelphusa tenuimana)
9、オキナワミナミサワガニ(Candidiopotamon)
10、アマミミナミサワガニ(Candidiopotamon amamense)
11、クメジマミナミサワガニ(Candidiopotamon kumejimense)
等が知られている。
サカモトサワガニ・オキナワミナミサワガニ・オオサワガニはどれもサワガニよりかなり大きくなる。
特にオオサワガニは手の平以上あり、巨大だ。
ヒメユリサワガニは沖縄本島にのみ生息しているが、生活様式は他のサワガニと異なり足が長く陸上で生活する珍しいサワガニだ。
上記の中で唯一ミカゲサワガニのみ、鹿児島県大隈半島の特産種。
その他は南の島に生息している。
繁殖
カニの仲間では非常に稀な生態系をもっている。
完全な陸封型で、海に下らずに産卵するカニで、メスは卵を40〜50個ほどおなかの中に抱える。
孵化した形はガニそのままである。一般的に海で産卵するタイプで見られる孵化直後のゾエア幼生やメガロパ幼生の形をとらずにいきなりカニの形で出てくるから面白い。卵の大きさも成長するにつれて海産のカニではありえないくらい大きくなり、その卵の中でゾエアやメガロパの幼生期を過ごす安全策にでたのだ。
産卵数も海産のカニが数万〜数百万という数に対して、メチャメチャ少ない。
ある程度カニとして成長してから、子ガニは母親から離れる。とても子煩悩で微笑ましい。
母親に守られてカニとして巣立ちするためか、産卵数は極端に少なくても、子孫が残る仕組みになっているのだ。
このような生態の違い(陸封型・降海型)はエビ(ミナミヌマエビetc)や魚(カジカ・ヨシノボリetc)などでも同様にみられる。
2、サワガニの飼育
サワガニは流れのある清水等に生息している事を頭に入れて飼育するとよい。
つまり、溶存酸素量を豊富にして、きれいな水で飼育し、水温は低めに設定すればいいのである。
具体的には40cm水槽に1pr、60cm水槽で2〜3prくらいがいい。
沢山入れると脱皮をする時に共食いをしてしまうので、匹数は少なめが鉄則である。
また個々に隠れる場所を設定してあげると、共食いをかなり防げる。岩や流木を個体数以上に入れることだ。
底砂は必ず敷く事。できれば5cmくらいが良い。
これはろ過バクテリアの繁殖のためと自分の住居を自分の住みやすいように作らせるために必要になる。
サワガニは脱皮も繁殖も交尾もすべて水中で行い、水中生活に適応している。
そのため、他のカニのように、陸地を作る必要はない。
水の量は通常の魚飼育と同等でかまわない。できれば多いほうがいい。
そうすれば、外掛式や上面ろ過も使用できるため便利で水量も多く水質も良く保てる。ただし脱走するため、蓋をキッチリすることが肝要だ。
また、脱走が防げそうにない場合は、水槽の半分量の水量にしてもいい。
カニ類はハサミが大きいため、魚との共存は難しい。魚を食べたり、ヒレを千切ったりする。できれば、単独飼育をお勧めする。
冬場はもともと低水温に適しているので問題ない。寒い場合は巣や岩の下で冬眠をする。問題は夏場で、高水温には弱いため、クーラーまでとは言わないが、せめて水槽用のファンを回して、28度C以上にならないようにしよう。
食事は雑食だが、どちらかというと肉食傾向が強く、何でも良く食べるので市販のザリガニの餌やクリル等でも十分である。アナカリス等を水槽に初めから植えておけば植物性の餌にも対応できてよい。
交尾期間は4〜7月なのでその間卵を抱いたメスを見つけたら他のカニを別水槽に移して1匹だけにして繁殖を楽しもう。卵から孵化ししばらくの間は母親のお腹にくっついているが、離れたら、母親を別水槽に分けて子供だけで飼育するようにする。一説によれば、母親から母乳が出てしばらくの間それを飲んでいるという。ちらばっている子供が物音などでビックリして母親のお腹に隠れる様は、なんとも人間的で微笑ましい!
皆さんもサワガニ飼育に挑戦してみてください。
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