オイカワ
湘南アクアリウム

 

オイカワ(Zacco platypus)

 コイ科ダニオ亜科オイカワ属
オイカワ属の仲間には3種類が知られている。
オイカワ・カワムツ・ヌマムツがそれである。ヌマムツと言う名前をご存知ない方も多い
であろうが、少し前までカワムツAと言う名前で知られており名称が変更になった。
同様にカワムツBが昔ながらのカワムツに戻ったのである。
オイカワ属の学名はZacco、皆さん日本語読みしてください。−−ざっこ?ざこ???
何か思い当たりませんか。そう、漢字にすると−−−雑魚!
えっ!と思われるかもしれないが、このZaccoは日本語の「雑魚」が語源とのこと。

よってこの3種類の学名にはいずれも先頭にZaccoが付く。何処にでも居る魚という
意味である。生命力が強いようで日本ではどんどんその生息域を
広げており、最近では3種とも北海道を除く殆どの場所で見られるようになった。
今回はその中でオイカワについてスポットを当ててみる。

オイカワ(Zacco platypus)
オイカワは川魚ファンならほとんどの方は知っているなじみの深い魚であろう。
それだけに俗名も多く地域によって色々な呼び方がある。関西ではハエ
関東地方ではヤマベと呼び、ヤマメと混同されがちである。
私も小学校のころ、渓流釣りが趣味の父親を持つ友達に
飼育している水槽を見ながら魚の説明を受け、ヤマメをヤマベと、イワナをヤマメと紹介され
私の頭が大パニックをおこした経験がある。きっとその友達も後日大混乱したことであろう。
また、同じ関東でもハヤと呼ぶ地域もあるようで、これはこれでウグイと混同していよう。
けっこう大雑把で「ね-んげん的」で親しみがわく魚、それがオイカワである。
特徴
 体長 :10〜15cmで成熟するとオスのほうがメスより大きくなる。
体型 :カワムツやヌマムツに比べて体幅が薄く細長く見え、体高は全体的に高い。

背は頭〜背びれ〜尾びれにかけて、カワムツやヌマムツの場合やや丸みを帯びるが
オイカワはやや直線的になる。尻鰭は成長するにつれ長く伸び特にオスは大きい。
オスは成熟すると追星がでてきて攻撃的になる。追星は鼻先等から現れ始め
顔全体に数を増し、体側や尻鰭にもでてくる。こうなると戦闘態勢OKとなり
あちこちで縄張り争いが始まる。追星とはイボ状に皮膚が角質化して硬くなったもので、
体当たりするときの武器となる。
 体色 :背の部分は暗青色で体側や腹は銀白色に輝く。
オイカワは雑魚と言われるわりに、とても美しい魚の1つで、特にオスの体側にでる婚姻色は
緑色が濃く出て、それにピンク色が混ざり美しい。
侘び寂びの世界になりがちな日本産淡水魚の水槽では、稀なはでやかさを醸し出す
貴重な魚でもある。
オイカワの稚魚は体色に特徴がある。川にタモ網をもって採集に出かけたとき、取れた
小魚を見て、これはいったい何だろう??と疑問に思うことが多い。
特に小魚がたくさん取れたときが最もわからなくなる。
こんな時バケツの上からオイカワを見分けるコツがある。
中層を泳ぐ魚の中でまず細長い魚を探す。その中にはウグイやカワムツ等も含まれる。
(その中ではじかれた魚というのは、フナやコイ・モツゴやタモロコ等で、ずんぐりし
ていて太く短く感じられる。)
さらにその中で背中に黒っぽくぼやけた斑点が全体に見られるのがオイカワだ。
これは稚魚に出ている特徴で成長するにつれ消失する。
分布
本州・四国・九州
最近では東北地方にもかなり生息域を広げている。私は20年くらい前、山形県庄内地方のあ
る川の橋の上で川を眺めていた折、10〜15cm位に見える魚達が群れているのを
発見した。橋から川まで5m以上あったので、試しに釣りを試みた、餌は−−−−は
無い。どうしょうと考えた挙句−−なんでもいいや、とりあえずオニギリのご飯粒でも餌に
してみようとボウズ覚悟で釣り糸を垂らしたら、川面のギラギラした太陽の反射に負けじと
銀輪のピカピカ輝く魚が釣れてきた。−−−−−−−−−なんと入れ食い!!
釣れた魚はなんとオイカワばかり!−−え!!東北にオイカワ???しかもご飯粒で!
とビックリした記憶がある。(当時私の所持している本には「オイカワの生息域は関西以西」
と書かれていた。)
これはアユの放流事業により混ざって生息域を広げたもので、オイカワ以外にも、カワムツ・
ツチフキ・ゼゼラ・カネヒラ等多くの魚が生息域を広げている。

飼育

魚を飼育する上でその魚の持つ特性を知りたい場合は。できるだけ生息環境に合わせた

環境を水槽内で作ることが必要である。
オイカワの生活環境は河川の中下流域の平瀬を生息域にしている。(湖沼にも生息する

が、私のイメ−ジは河川。)その平瀬を水槽内で再現するには、大小さまざまな砂利や石
(流木もOK)を平たんに敷くことでオイカワの生息環境が作れる。うまくいけば、繁殖まで
楽しめるのも大きな魅力。
器材
水槽:60cm以上の水槽が望ましい。できれば大きめがよい。素材はガラスでもアクリル
    でもOK。
ろ過:ろ過は必ず使用する。
    上面ろ過、底面ろ過、外部ろ過、オ−バ−フロ−式ろ過とどれでも良いが、今回は
    底面ろ過を例にして図の様にする。底面ろ過にも水中ポンプを使用した物と、エア−
    ポンプを使用した物があるが、水中ポンプを使用した方がエア−ポンプの振動音をカット
    できるし、強い水流を作れるので良い。
砂利 :礫(粒は大小の大きさが混じる方が自然で良い)や石や流木等を組み合わせて
     図のように作成。
     60cm水槽では5cmくらいの厚さに砂利を敷く。
温度調節器 :夏場に30度を超えるような場合は、ファン(水槽用小型扇風機)を使用する。                                                                
          ク−ラ-があればベスト。(25℃以下に設定):ヒ−タ−は不要。
その他器材  :ライト・水温計・蓋・網・水質調整剤・バクテリア・バックスクリ−ン(川底)等         

セッティング
 水槽設置  :オイカワは過度の高温には弱いので日光が直接当たる場所は避け、
   水漏れ・水の運搬・コンセントの有無等を考慮して水槽のセッティング場所を決める。
 ろ過器設置 :  水槽をセットしたら、底面ろ過器をセット。奥に噴出し口が来るようにする。
 砂利入れ  :次に砂利を汚れ・濁り等が無くなるまで洗って、水槽のろ過器の上部に5cm
   位の厚さになるように砂利を入れる。その時奥に少し高くなるように敷くと立体感がでる。
   その後石や流木をセット。奥に大きい物・高い物を、手前に小さい物・低い物を設置する
   と同様な効果が生まれる。
 水入れ  :水道水にカルキ抜きを入れ、ろ過器の噴出し口より少し低い位置まで水槽に水
   を入れる。
 バクテリアの投入 :バイコムスタ−タ−キットがお勧めで、4日間で立ち上がる。

   これを入れないと1ヶ月ほどかかり時間的にも、水質維持のためにも必要。
日常管理
水質管理:オイカワの長期飼育は簡単そうにみえて実は難易度は高い。
        色々な魚達とオイカワを混泳させて飼育すると1番始めに死んでしまうのは
        決まってオイカワである。別に気が弱く他の魚にイジメられる訳ではない。
        オイカワは硝酸塩の蓄積に最も弱く短時間で死亡するためだ。
        よってオイカワを状態良く長期間飼育するためには、安定したろ過と
        定期的な水換えを長期間継続させることが必要だ。これは簡単そうでかなり難しい。
        広い水槽で少なめに飼育することがポイントでもある.。
        また、急激な水温変化にも弱く、水換え時に混泳しているウグイ・カワムツ・モツゴ・
        フナ・コイ等は生きていても、「オイカワは死んでしまった。」といったケ−スが生じる。
        これは体幅が薄い魚に共通している。
        同じ温度差でも水温低下より水温上昇に弱い。
餌    :雑食性でなんでも良く食べてくれるので市販のフレ−クフ−ドや顆粒状のえさで
       良い。ただ、一時期餌によっては、急に食べなくなるケ−スがある。そのような時は
       植物性(プレコフ−ド)に変えてみたり、動物性(アカムシやクリル等)に変えてみ
       ると、再び食べ始めることがある。
病気   :オイカワが状態悪化又は死亡するケ−スは上記の2点(硝酸塩の蓄積と
       水温の急激な変化)によって生ずる事が多い。ただ病魚が混入した場合感染し
       ていくので、魚を追加する場合は要注意である。
       輸送中や移動、ケンカやスレなどにより皮膚が負傷したときは、市販の

       グリ−ンFゴ−ルドの投与で予防すれば、殆ど大丈夫である。予防を
       怠ったときは白点病や水カビ病に罹ることがある。その時は、市販のマラカイトグリ−ン
       液の投与と塩(10Lに対して15g程度)を入れると良い。1週間ほどで完治する。
以上

 
 
(湘南アクアリウム)

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